出遅れないで!いつから始める?子どもの矯正
子どもの歯並びで気になる点があるけれど、いつから矯正を始めたら良いのかわからない、そもそも矯正が必要かどうかも判断できない、という親御さまは是非ともこの記事をお読みください。ここでは子どもの矯正を始める適切な時期について、わかりやすく解説します。
子どもの矯正には年齢制限があります
始めにぜひ知っておいていただきたいのは、矯正治療の年齢制限についてです。大人の矯正には基本的に年齢制限はありません。大人の歯が生えそろい、顎の骨の発育も完了していれば、何歳になってからでも受けられます。一方、子どもの矯正治療には年齢的な制限が存在しています。具体的には、12歳くらいまでが小児矯正における1期治療の上限といえるでしょう。
1期治療とは?
子どもの矯正治療は、1期治療と2期治療の2つに大きく分けられます。皆さんがイメージする子どもの矯正治療は1期治療に当たり、ワイヤー矯正やマウス矯正は2期治療に当たるものとお考えください。ですから今回は、いわゆる“子どもの矯正”に該当する1期治療に焦点を当てて解説を進めていきたいと思います。
子どもの矯正を始める年齢・時期
子どもの矯正は、5~6歳くらいから始めるのが一般的です。5~6歳は、最初の永久歯が生えてくる時期であり、子どもの歯と大人の歯が混在する混合歯列期の始まりでもあります。この時期は顎の骨の発育も活発に進んでいくことから、子どもの矯正を始める時期としては最善といえるでしょう。
顎の骨の成長とどんな関係が?
子どもの矯正治療は、顎の骨の成長をコントロールすることが主な目的となります。下の顎の骨の成長が足りないことで出っ歯(上顎前突)になっている場合は、その発育を促します。上の顎の骨が成長しすぎて出っ歯になっている場合は、その発育を抑制します。そうして上下の顎のバランスや大きさ、幅などを正常化させると、さまざまな歯列不正・不正咬合を改善、予防できるようになるのです。
3~4歳から始めた方が良い場合もあります
上でも述べたように、子どもの矯正は5~6歳で始めるのが一般的ですが、ケースによっては3~4から始めた方が良いこともあります。例えば、上の顎の骨の成長が遅れていて受け口になっているようなケースは、早期にアプローチした方が良いといえます。なぜなら、上の顎の骨の成長は、下の顎の骨よりも早めにピークを迎えるからです。5~6歳から始めたのでは手遅れとなる場合もあり得ます。そういう意味でお子さまの歯並び・噛み合わせ・骨格に異常が認められたら、その時点で一度、歯医者さんに相談することをおすすめします。当院には、2~3歳で子どもの矯正の相談にくるケースも珍しくありません。
子どもの矯正は出遅れるとどうなる?
子どもの矯正には明らかに適した年齢・時期というものがあり、そのタイミングを逃すと治療によって得られる効果が半減します。例えば、上下の顎骨のアンバランスがあるにも関わらず、それを10歳とか11歳くらいから矯正し始めても、満足のいく治療結果は得られないでしょう。顎の骨の成長が終わりに近づいているため、本来、期待できるような矯正力が働かないからです。そのように子どもの矯正に出遅れた場合は、2期治療で歯列矯正を受けることになります。歯列矯正は、歯並びの乱れを細かく整える治療です。
まとめ
今回は、子どもの矯正を始める時期について解説しました。標準的なケースでは5~6歳から、一部のケースでは3~4歳から矯正をスタートさせることになります。お子さまの歯並びや噛み合わせに気になる症状がある場合は、子どもの矯正に適した時期を逃さないよう気を付けましょう。