銀歯ではなく白く美しい歯に
笑顔からこぼれる白い歯は、相手に好印象を与えます。口元のコンプレックスを克服するため、様々な努力をしている人も少なくないでしょう。 審美歯科では、美しい見た目を実現するために使われている補綴物についてご紹介します。
審美歯科とは
一般的な歯の治療は、本来の機能を回復させることが目的であるため、審美性はあまり考慮されません。一方、審美歯科は機能性のほか、歯の色や形など、審美性を追求した歯科治療が行われます。
白い歯を入れるメリット
歯の色によって、人の印象は大きく変わると言っても過言ではありません。 どんなに整った歯並びでも、黄ばんだり黒ずんだりした歯では美しさが半減します。
白い歯がもつイメージは、美しさや清潔感だけでなく、知的さや見た目の年齢にも影響するほどの力があります。
詰め物、かぶせ物の素材の違いについて
審美歯科では、機能性とともに審美性を重視した治療のため、天然歯に近い色調を再現できるセラミックを使用するケースが多いです。 その他、詰め物、かぶせ物の代表的な種類や素材には、次のようなものが挙げられます。
セラミック
セラミックのメリット
美しい仕上がり
セラミックとは、陶器などの焼き物にも使用される白い素材のことです。 特徴は天然の歯と見分けがつかないほどの美しい仕上がりです。
笑ったときに銀歯が見えると、思った以上に目立つもの。見た目の美しさを求める場合にはセラミックをおすすめします。
また、プラスチックも同じく白い素材ですが、プラスチックは時間の経過とともに変色してしまう性質があります。長期的に使用することを考えれば、セラミックを選択したほうが美しい状態を保つことができます。
加えて、セラミックはプラスチックと比べて透明感が違います。 自然な歯も半透明なので、ご自身の歯と同じような透明感や艶やツヤがでます。
3年後、5年後の変色を比較
セラミック
プラスチック清潔であること
セラミック
プラスチック
セラミックは毎日のブラッシングで、サッと汚れを落とすことができるのでとても衛生的です。
これは食器で考えるとわかりやすいです。瀬戸物のお茶碗は洗えば汚れがきれいに落ちますが、プラスチックのお皿では長期間使用していると、汚れが少しずつ取れなくなってしまいますよね。それと同じことがセラミックの歯、プラスチックの歯にも起こるのです。
耐久性も高い
プラスチックは日々使用する中で徐々に摩耗していってしまいます。 その点、セラミックは耐久性も抜群で丈夫な素材です。そのため、一度施術してしまえば、長く使い続けることができることもメリットです。
プラスチックの摩耗(5年間使用後)
虫歯になりにくい
セラミックは見た目の美しさだけでなく、虫歯を予防することも大きなメリットです。虫歯や歯周病の原因となる菌がつきやすい銀歯やプラスチック素材に比べて、セラミックは菌がつきにくい性質のため、衛生的な素材といえます。そのため、セラミックを選ぶことは大切な歯を守ることにもつながるのです。
金属アレルギーの心配がない
銀歯は金属のため、アレルギーがある方は使用することができません。 また、現時点でアレルギーがではないと思っていても、これから発症してしまう可能性などを考えられます。
一方セラミックは金属ではないため、金属アレルギーを引き起こす心配がありません。
セラミックのデメリット
費用が高い
セラミックは保険治療の対象外のため、銀歯に比べて高価になります。
ゴールド
ゴールドのメリット
耐久性に優れる素材
ゴールドはとても丈夫な素材です。基本的に長持ちなセラミックも、一瞬に強い負荷がかかると割れてしまうことがあります。しかし、ゴールドは衝撃にも強いため、奥歯などの強い力が発生する箇所でも使用することができます。
また、金属の周りにセラミックをつけたメタルセラミックと呼ばれるものもあります。 金属ならではの丈夫さに、セラミックの美しさを合わせ持つ素材です。
さびにくい素材
ゴールドは銀歯と違いさびることがありません。 金でできたネックレスなどの貴金属がさびることなく、美しい状態を保ち続けるのと同じで、歯科で使用する金も経年劣化することがないこともメリットです。
金属アレルギーになりにくい
意外に思われるかもしれませんがゴールドは金属アレルギーにはなりにくい素材です。 なぜかというと、ゴールドは酸に溶けにくいからです。酸によって少しずつ溶け出していってしまう銀歯と違い、ほとんど溶け出す心配のないゴールドは体に与える影響を最小限に抑えることができます。
ゴールドと銀歯を強酸に5分間漬けた結果
ゴールド
銀歯
虫歯になりにくい
ゴールドもセラミック同様、虫歯菌が付着しずらい表面の性質と適度に柔らかく歯にフィットしやすい性質があるため、虫歯になりにくい素材です。ゴールドのデメリット
目立ってしまう
どうしても目立ってしまうので、見た目の美しさという意味ではおすすめできません。
費用が高い
ゴールドも保険治療の対象外です。銀歯に比べて高価になります。
銀歯
銀歯のメリット
保険適応で安価
銀歯のメリットは保険適用のため、リーズナブルな価格なことです。
銀歯のデメリット
目立ってしまい、審美性におとる
銀歯は目立つので、周囲の目が気になってしまうという方が多くいらっしゃいます。
虫歯になりやすい
銀歯は詰めた部分との隙間ができやすく、その隙間に虫歯菌が入り込みやすくなります。 銀歯を詰め物にすると、セラミックなどに比べると再発のリスクが高まってしまいます。
金属アレルギーのリスクがある
金属に対してアレルギーがある方が銀歯にしてしまうと、アレルギー反応が出てしまい危険です。
歯科素材の比較表
オールセラミックス
材料
100%セラミック
ワンポイント
最高の美しさ
長所
- 美しさNo.1.自然で透明感のある白色
- 金属アレルギーにならない
短所
- 極度の衝撃で割れることがある
保険 | 美しさ | 再発リスク | 安全性 |
---|---|---|---|
× | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
ハイブリッドセラミックス
材料
セラミックとプラスチックを混ぜたもの
ワンポイント
自然な白さ
長所
- 色が白く、目立たない
- 金属アレルギーにならない
短所
- 多少の変色がある
保険 | 美しさ | 再発リスク | 安全性 |
---|---|---|---|
× | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
ゴールド
材料
14・18・20K
プラチナが数%含まれた合金
ワンポイント
健康
長所
- 耐久性No.1
- 2次むし歯になる可能性が低い
- 金属アレルギーになりにくい
短所
- 色が目立つ
保険 | 美しさ | 再発リスク | 安全性 |
---|---|---|---|
× | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
銀歯
材料
保険適用の金属
ワンポイント
保険適用
長所
- 保険適用内でできる
短所
- 色が目立つ
- 2次むし歯になりやすい
- 金属アレルギーになる可能性がある
保険 | 美しさ | 再発リスク | 安全性 |
---|---|---|---|
〇 | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
素材の違いについて詳しくご説明します
それぞれの素材の一長一短あることがおわかりいただけたかと思います。 治療部位などによっても、最適な詰め物、かぶせ物は変わってきます。費用はもちろんのこと、安全性や虫歯の再発のリスクなど、幅広い観点から検討することが後悔しない選択につながります。
そのため、私たちは口頭でも詳しく素材の違いをお伝えします。説明でわからないことがありましたら、お気軽に質問してくださいね。