歯ぐきの腫れ、出血は歯周病?原因と応急処置

歯ぐきの腫れの原因

歯肉炎

歯肉炎

歯肉炎とは細菌感染によって歯茎に炎症が起きる病気で、歯周炎の一歩手前の段階です。

歯肉炎の主な原因は、口の中に歯垢が溜まることです。歯垢は細菌のかたまりで、歯垢の中の細菌が出す毒素によって歯茎が炎症を起こします。歯茎が赤くプニプニと腫れぼったくなっている、歯磨きの際に出血する、といった症状が歯肉炎の特徴です。

歯石がたまっている

歯石とは歯垢が硬くなったもので、歯垢を約2日間放置すると歯石になります。歯石も歯垢同様に細菌のかたまりなので、細菌が出す毒素によって歯茎が炎症を起こして腫れてしまうのです。さらに、歯石の表面はデコボコしているため歯垢が付着しやすく、悪循環を招きます。

歯石はご自宅の歯磨きでは除去することができないため、歯科医院での歯のクリーニングが必要です。

重度の歯周炎

歯周炎は歯肉炎が進行したもので、歯茎の炎症だけでなく歯槽骨(歯を支えている骨)が溶かされることで歯がグラつき最終的には抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。

重度にまで進行すると歯槽骨(歯を支えている骨)は半分以上溶かされて、歯がグラグラと動くようになります。歯周ポケットは7mm以上の深さとなり大量の歯垢・歯石が溜まることで歯茎に炎症が起きて腫れてしまいます。

詰め物、被せ物の劣化

詰め物 被せ物

詰め物、被せ物が劣化すると、歯と詰め物・被せ物の間に段差・隙間ができ、そのわずかな段差・隙間に細菌が溜まり、繁殖して毒素を排出することで歯茎が腫れてしまうことがあります。わずかな段差・隙間は歯ブラシの毛先が届かず、歯磨きをしても細菌を除去することが難しいのです。

例えば銀歯の寿命は3~5年ほどともいわれています。詰め物・被せ物の周りの歯茎がいつも赤く腫れている、銀歯が黒くなっている、フロスがひっかかるといった症状がある場合には、詰め物・被せ物が劣化していないか口腔内写真を撮影して確認する必要があります。

根尖性歯周炎

根尖性歯周炎とは、細菌感染などによって歯の根っこから歯槽骨(歯を支えている骨)の中の炎症が起こる病気です。歯の根っこの先端に膿が溜まることで歯茎がぽこっと腫れます。歯茎の腫れと共に噛むと痛みを感じたり、膿が出る穴ができていたりした場合には根尖性歯周炎の疑いがあります。

根尖性歯周炎になる原因として外傷や歯の根っこの割れ(歯根破折)がありますが、過去の虫歯治療が不十分だったことが原因となる場合が多いです。重度の虫歯で歯の神経を抜いた後は神経が通っていた部分をきれいに掃除しますが、掃除が不十分だと虫歯菌が残ったままになります。そのまま被せ物などで蓋をしてしまうと、歯の内部で再び虫歯菌が増殖して炎症を引き起こしてしまうのです。

歯ぐきの腫れ・痛みの対処法

痛い部分を冷やす

歯茎の腫れによる痛みは炎症によるものなので、痛みがある部分を冷やすと痛みが軽減します。氷のうや保冷剤、濡れタオルなどを使って頬の上から患部を冷やしましょう。

歯みがきをする

歯を磨く女性

歯垢が溜まっていることによる歯茎の腫れ・痛みには、歯磨きで歯垢を落とすことが根本的な解決策です。歯と歯茎の間は歯ブラシの毛先が届かないため、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使って歯垢を落とすとよいでしょう。

デンタルフロスや歯間ブラシは1度の使用で終わりにせず、毎日続けましょう。毎日続けていくことで痛みや腫れが次第に良くなり、ピンク色の引き締まった歯茎に戻ります。毎食後の使用が理想的ですが、難しい場合には1日1回の使用でも効果はあります。

うがいをする

痛み・腫れがひどく歯磨きができない場合、口の中の衛生状態を保つためにうがいをしましょう。洗口液やうがい薬でのうがいが効果的ではありますが、刺激が強くしみてしまう場合には水だけのうがいでも問題ありません。

歯周病、歯肉炎は治療をする

歯科治療

歯周病・歯肉炎を治すうえで大切なことは、原因となる歯垢・歯石を落とすことです。毎日の歯磨きが基本となりますが、一度歯科医院を受診し適切な治療をしましょう。ご自分の歯磨きでは落とし切れない歯石や磨き残した歯垢は、歯科医院での歯のクリーニングで除去したほうが口の中がきれいになります。

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